ようこそ、おいでくださいました。 こちらは、素人絵師・袴田小袖、あるいは勘亭流書家・袴田笑尾壽(えびす)の作品を展示しているブログです。 〔好みのモノが売っていないのなら自ら作る〕を信条に、生活の中のゲージツと笑いを探求しています。 なお、当ブログ内の画像の著作権は全て袴田小袖および袴田笑尾壽にありますので、無断使用なさらぬよう宜しくお願い申し上げます。

長財布 2つ

 たて11.0㎝×よこ18.0㎝×まち1.0㎝  木綿 不織布芯地 18.0cm口金(左)
 たて12.0㎝×よこ21.5㎝  木綿 不織布芯地・キルト芯地 21.5cm口金(右)

長財布

 久しぶりに、がまぐちを作りました。
 左の黄色いのは自宅の家計用長財布。右の桃色は実家の母用の長財布。
 母用のは、手芸屋さんで購入した『がまぐち長財布キット』を使って作りました。実は、このキットは自宅用の財布を作るために少し前に入手したのですが、手が回らなくて放置してありました。先日実家に帰った折に、80過ぎた母が財布の小銭入れ部分のファスナーの開け閉めがしにくくなって開けたまんまバッグに入れてしまうので、小銭がバッグの中に散らばって困っているの知ってふと思いついたのが、がまぐち。私のがまぐち財布で実験して、苦もなく開け閉めできるのを確認したので、待ったなしで作ることにしました。
 自宅用のは、かつて手ぬぐい専門店の『かまわぬ』で購入した黒地の長財布をずっと愛用しておりました。ボロボロになってしまったのでそろそろ新調しようと思っていたところ、既製品は内ポケットが無かったりとなかなか気に入るものに巡り会えない。たまたまポケットがたくさん付いている内袋が既に出来上がっているキットを見つけて、買っておいた次第です。母用に流用したので、 自宅用にもう一つキットを買いに行こうと思っていたら、飼い主が口金の再利用を強く勧めるのですわ。ポケットは2つで充分だと言うので、それなら買いに行くより早いし楽チンかな…と再利用することにしました。結果的には、再利用はやめた方が良いと思います(笑)。布地を固定するために留め具に近い部分を最後に締めてあるのでそれをペンチで緩める手間がありますし、口金の溝の中はボンドがたっぷり残ってますし…。仕上がりの美しさを求めるなら、断然新品をお薦めします。口金から引っ剥がした残骸が上の写真です。気に入ってた生地だったので、寂しいけど仕方ありません。お世話になりました。今度のは黄色の縞木綿です。別に風水を気にしてお金が貯まるようにって黄色にしたわけじゃないんですけどね。我が家の生地在庫の中から丈夫そうな少し厚手の生地を選んだらこうなりました。母用と色違いです。痩せたい願望が強すぎて少し横幅を細めにしたら(笑)、ちょっと窮屈で使いにくそう…。お札は何とか入るんだけど、ビール券がギチギチ。〔とっととビールに換えちまえ!〕と云う神の思し召しかもしれませんな〜。

日本の文様シリーズ 梅鉢

広巾短冊 てぬぐい 3mm厚イラストボード 和紙 裏打ち紙 紐 ゴム紐 ハトメ金具 
たて49cm×よこ12.5cm

梅鉢
 梅の文様はたくさんありますが、その中でもこれは「梅鉢」と云うものです。家紋でも有名です。一般的に梅の花を写実的に図案化したのは「梅紋」と呼ぶそうで、それに対して幾何学的な図案のものが「梅鉢」なんだそうで。この手ぬぐいの紋は小さな丸い花芯と大きな五つの丸い花弁を線で結んだ単純なものですが、他にも山ほど種類があるんですよー。ちなみに、この手ぬぐいは『かまわぬ』で購入しました。

 梅…といえば、やはり菅原道真さん由来の家紋だそうな。〔梅に鶯〕ってよりも〔梅に道真〕って言葉の方がしっくり来る気がします(笑)。梅を愛でるあまり、その梅が左遷先まで飛んで追っかけたと云う伝説まであるぐらいですから…。そういえば、太宰府天満宮で食べた梅ヶ枝餅は美味しかったな〜!売っているお店が何軒もあったので食べ比べしちゃいました。ほんのり油の香りがして 食欲をそそります。あ、もちろん、飛び梅にも感激しましたよ。

 道真さんは祟ることでも有名ですが、梅の逸話からもしてもとても情が濃い人なんでしょうか。だから、怨みも深くなる…のか。ま、最も雷などの自然災害を〔祟られた〕と解釈する方にもともと負い目がある訳で、道真さんは悔しいけれど怨霊にまでなるつもりはなかったかもしれませんがね。


 さて、勘亭流での「梅」の文字は、なかなかオモシロい形をしています。つくりの右上から左下に垂れ下がるような曲線が楽しくて好きな文字です。「毎」や「海」も書いてて心躍りますね〜。
 「鉢」は金偏がイマイチ。苦手なんですよ(笑)。屋根の部分をもう少し右に重心を寄せれば良かったかな?

日本の文様シリーズ 唐草

広巾短冊 てぬぐい 3mm厚イラストボード 和紙 裏打ち紙 紐 ゴム紐 ハトメ金具 
たて49cm×よこ12.5cm

唐草
 知らぬ人はいないでしょう、『唐草』です。
 画像では黒っぽく写っていますが、深緑の地の色です。まさにドロボーの風呂敷柄(笑)。

 とてもとても日本的な柄の印象がありますが、実はシルクロードを辿って大陸からやってきた舶来物。生まれは古代エジプトだそうで。日本に来たのは奈良時代。直接の伝来国「唐」の植物柄…と云う意味の名前なんでしょうかね。
 そういえば、熊本では薩摩芋のことを「唐芋(からいも)」と呼んでいます。中国から琉球経由で伝来した芋だからですね。本州では「薩摩芋」と呼びますけど、西南戦争で熊本城を焼かれた恨みがある熊本県民は口が裂けてもそう呼びたくないでしょうね(笑)。私もたった4年強の熊本暮らしでしたが、すっかり「唐芋」に馴染んでしまい今でもそう呼んでいます。

 さて、このクルクルと渦を巻きながら四方八方に何処までも伸びて行く蔓の文様は、長寿や子孫繁栄の吉祥柄として愛でられてきました。なのに、よりによってドロボーのイメージがすっかり定着してしまいましたよね。
 どうやら広く愛された柄だからこそ、明治から昭和にかけては唐草模様の風呂敷が大量生産され、どこの家庭にも1枚はあったそうな。当時の泥棒は手ぶらで入って盗んだ物はその家の風呂敷に包んで帰ったので、必然的に唐草を背負ってる絵になったと聞きます。なるほどね〜。

 文字の出来としては「唐」も「草」も何か今一つと云う感じですな。

 短冊掛けの手ぬぐいは『かまわぬ』のものを使用しています。

日本の文様シリーズ 雪輪

広巾短冊 てぬぐい 3mm厚イラストボード 和紙 裏打ち紙 紐 ゴム紐 ハトメ金具 
たて49cm×よこ12.5cm

雪輪

 げんなりするほど暑い日が続くので、涼しげな柄はいかがかぇ〜?
 『雪輪』です。六角形の雪の結晶を丸く図案化した文様です。
 「雪月花」と云う言葉があるように、春の桜と秋の月と共に冬の雪は、四季の美しさの象徴として古来から愛されてきました。しかも雪は豊作の前兆として信じられていたので、室町時代ごろから吉祥文様として多用されるようになったそうです。不思議なことに、顕微鏡が無い時代なのに雪の結晶が六角形だと知っていたこと。昔の人はスゴイね!
 これ単独でも柄として成り立ちますが、この輪郭の中に柄や絵をはめ込んだりして使われることも多く、なかなかの汎用性です。

 この手ぬぐいは『かまわぬ』のもの。白地に藍と緑の線だけでスッキリ描かれて実に涼しげです。

 それに反して文字は密度が高くて暑苦しいんですよ、これが(笑)。
 「雪」は雨冠に対して「ヨ」の部分が大き過ぎる感じがします。実は、この字は勘亭流ではずっと旧字体で書いていたそうです。「ヨ」の真ん中の横棒が右に突き抜けている形です。私の師匠の代で新字体にしたそうです。理由は、よくわかりません(笑)。読みやすいように…という心配りかもしれませんね。私はそんなに優しくないので、バランスの良さを追求して旧字体に戻して書こうかなと思っています。

半衿 ドビー黒麻の葉

木綿 たて4寸(15cm)×よこ120cm
ドビー 黒麻の葉 黒地の麻の葉模様の半衿です。色違いで赤地のヤツがあります。
 黒地でも赤や水色や黄緑など明るい色がたくさん入っているので、華やかでポップな感じになりますね。柄も結構細かいので、スッキリ着るのにはどんな着物が合うのか考えるのがとっても楽しいもんです。

 あー、まだ縫ってない臙脂色の着物を早く縫わなくちゃ!印付けまでしてくれる『ちくちくパック』を購入したので、後はとにかく縫うだけなんですがね〜。

日本の文様シリーズ 市松

広巾短冊 てぬぐい 3mm厚イラストボード 和紙 裏打ち紙 紐 ゴム紐 ハトメ金具 
たて49cm×よこ12.5cm

市松
 「市松」です。
 「市」という字は勘亭流では何種類かの形があります。これは元々の字とほぼ同じ形。読み易くて良いんですけど、ちょっと面白味が足りないかなぁ。
 一方、「松」は一見読み難くて個性的な形です。つくりの部分の形が失敗しやすくて、ヒヤヒヤしながら書くんですが、それが結構楽しいんです。マゾか?(笑)
 「松」の方が貧弱に見えて全体のバランスが悪い気がしますね。「市」をもう少し細く書けば良かったかな。

 市松柄は別名「石畳」とも云い、後者の方が歴史的に古い呼び方だと思います。
 江戸時代中期の歌舞伎役者「佐野川市松」が舞台衣装の袴にこの柄を用いたところ、大流行してついに呼び名まで変えてしまったようで…。すごい影響力ですね。
 そういえば、髪が伸びるだの生きてるようで怖いだの近頃は散々な扱いの市松人形も彼の名前からと云う説もあるそうです。彼の顔に似せて作ってあるそうな。とても可愛らしい顔の女方だったんでしょうね〜!

 短冊掛けに用いた手ぬぐいは『かまわぬ』のものです。

半衿 桜地そろばん

木綿 たて4寸(15cm)×よこ120cm
桜地 そろばん
 「そろばん」と云う伝統柄があります。そろばん玉を縦にビッチリ連ねた模様で、堅い商いをする倹約家の商人を思い浮かべてしまいます(笑)。

 この生地の柄は玉の並ぶ間隔がまちまちで、軽やかなリズムがあって可愛いですね。

 町人の世界を舞台にした「世話物」の芝居を観に行く時に着けようかな〜。

日本の文様シリーズ 亀甲

広巾短冊 てぬぐい 3mm厚イラストボード 和紙 裏打ち紙 紐 ゴム紐 ハトメ金具 
たて49cm×よこ12.5cm

亀甲

 「亀」と「甲」は多くの横線と少しの縦線でほぼ構成されていて、書いていてあまり面白くない字です 。出来上がった字も、面白味と云うか艶と云うか何かが足りない気がします。
 もともと字にはその人の個性が現れるもの。己の字を見る度に自己嫌悪に陥ります。自己肯定力の強い人はそんなことにならんのでしょうか?それともその負の感情をバネに、〔端正で美しくなおかつ勢いと味があって洒脱な字〕を目指して想像を絶する努力すれば良いのでしょうか?

 はい、努力すりゃいいんですよね〜!根性無しには辛いんですけどね(笑)。


 短冊掛けは、『かまわぬ』のモノを使っています。縦半分の色が反転しているオシャレな手ぬぐいです。その中心線を少し左にずらして更にオシャレを狙ってみました〜。効果ありましたかねぇ?

 ところで、この柄を「亀甲」ではなくて「蜂の巣」って言う人がいそうな気がしてなりません(笑)。

半衿 黒地青海波に千鳥

木綿 たて4寸(15cm)×よこ120cm
黒地 青海波に千鳥 薄いドビー織の木綿生地。小さな丸で文様を構成するのは、伊勢型紙での染めのようで趣があります。もちろん、これはプリントですけどね。
 ある時、友人が赤い着物に黒無地の半衿を着けているのを見て何て格好いいんでしょ!と思いまして。それまであまり気に留めていなかった黒地の生地も買うようになりました。
 これはその中でも、白黒で柄も甘くないので、男性でも使えるのでは…?と思います。男性の半衿って黒・青・茶辺りの無地ばかりなんですよね。たまには遊んでみたら楽しいのに〜。着物警察に怒られない範囲で(笑)。

日本の文様シリーズ 鰹縞

広巾短冊 てぬぐい 3mm厚イラストボード 和紙 裏打ち紙 紐 ゴム紐 ハトメ金具 
たて49cm×よこ12.5cm

鰹縞
 短冊&短冊掛け『日本の文様シリーズ』の中から、「鰹縞」の登場です。短冊掛けの手ぬぐいは戸田屋商店の梨園染を使っています。この柄の阿波しじらの木綿着物を5〜9月に愛用しています。派手すぎず地味すぎず、でもパッと目を惹く粋な感じがいいんですよ。これで着てる人がイイ女なら…ねぇ(笑)。

 「鰹」って云う字は魚編に堅い。音の「カ」と「ツ」も強くて堅そうですよね。「ヲ」でちょっと柔らかく着地してますけど…。力強くて活きの良さそうな字を心掛けたんですが、大人しくまとまっちゃったか気がします。画数の多い字は、とにかく空間に収めることばかりに気を取られてイケませんね〜。

 鰹と云えば、歌舞伎の『髪結い新三』にとってもよく出来た鰹の模型が登場します。悪事を働いている新三が初鰹を買うのですが、女房を質に入れてまで…と言われる程の大枚をはたかないと買えない鰹をポンと買うところに、これから手に入る金に気が大きくなってる浮かれ加減と、刹那的な生き方をしている性格がよく出ています。もっとも〔宵越しの銭を持たない〕のは江戸っ子の矜持ですから、悪党といえどもなんか憎めない格好良さのような魅力が新三にはあるんですよね。私が観た時の役者が勘三郎さんだったと云うのもその一因かもしれませんが。さて、その鰹の模型は魚屋さんの盥から丸々肥えた見事な姿で登場します。そして観客の目の前で、キレイにさばかれていくんです。3枚におろせるようになっていてご丁寧に腹わたまで取り外せる。なんだか理科室の解剖模型みたいで、見てて楽しい楽しい!そういえば、理科室にあった半分筋肉が剥き出しになって半分血管だったかな…『キカ○ダー』みたいな人体模型、好きだったな。『科学』の付録に人体骨格の全身模型が付いてきたときは嬉しくて完成品を机の上に飾って置いたら、掃除中の母に「気持ち悪い」って勝手に捨てられて泣きましたっけ…。さまざまなこと思い出す鰹かな(笑)。